「キャプテン・フィンガーズ」とほぼ同時期に発表された、このアル・ディ・メオラの代表作「エレガント・ジプシー」でもアンソニーの素晴らしい職人技を堪能できます。
アル・ディ・メオラはチック・コリア率いるスーパー・フージョン・グループ「リターン・トゥー・フォーエバー」に抜擢され一躍有名になったギタリストで、当時は「速弾き」の代名詞のような存在でした。そのギターの「速弾き」をベースでビシバシとユニゾンで決めてしまうアンソニーは鬼気迫る迫力を感じます。
そんなアル・ディ・メオラのアルバムにアンソニーが参加したことによって、アルバム全体の音楽そのもののクオリティーがより高い次元に到達したことは確かです。
この頃のアンソニーはコーラスやフランジャーなどのエフェクターを多用し、ジャズ・フージョン界では珍しく、Pickでも弾くというかなり独特なスタイルで他のベーシストとは一線を画していました。

恋するチャカ