歴史を築いた偉大なベーシスト達 第5回
9月も半ばですが、相変わらずの暑さで少し外を歩くだけで汗だくになってしまいます・・・

もうしばらくは我慢が必要ですね・・・

暑さが収まれば「芸術の秋」です!

いい音で、いい音楽をたくさん聴きましょう!

そんな、心が豊になる「音楽鑑賞」のお手伝いが少しでもできればと当店、on and onは日々頑張って営業しております。
さて、このシリーズも回を重ねること5回目となりました。

今回はついにこの人を紹介させていただきます!・・・
まさに「泣く子も黙る」・・・
クリス・スクワイア

Chris Squire(1948~2015)

「一番好きなベーシストは?」と聞かれたら僕は迷わずこの人の名前をあげます。

以前の記事「プログレッシヴ・ロック」で紹介した「プログレ四天王」の中の一つのバンド「Yes」に1968年の結成から亡くなる2015年まで在籍していた唯一のオリジナルメンバーです。

クリスの何が凄いって、音色からフレージングから何から何まで「独創性」の塊なんです。クリスのベースがイエス・サウンドの中核を築いていた事は確かです。

一番好きなベーシストなのですが、イエス・サウンドありきのプレイなので決して真似しようとは思いません。

「良い子のみんなは決してマネしないでね!」的な禁断のベースプレイなのです。
ファースト・アルバム

クリスの歴史イコール、イエスの歴史です。記念すべき1969年発表のこのファーストアルバムはバンド全体ではまだ粗削りな部分も多々ありますが、二十歳そこそこのクリスのプレイスタイルはこの時点でほぼ出来上がっています。
こわれもの

イエスの人気を決定づけたのはキーボードのリック・ウェイクマンが加入したこの4枚目のアルバム「こわれもの」です。

クリスのベースプレイは完璧に完成されています。イエスの代表曲でもあるM-1の「ラウンドアバウト」の圧倒的なドライブ感や、M-9「燃える朝焼け」の超絶なギターとのユニゾンのリフからのワンコードのベースのリズムパターンによるソロなどはひたすらカッコイイです!
危機

僕が初めてイエスを聴いたのは中学2年の時この5枚目のアルバム「危機」でした。その時の衝撃は40年以上経った今でも鮮明に覚えています。それまでのロックやポップスの常識とは根底からかけ離れていました。「なんじゃ!この音楽は!みんな勝手にやっているようで物凄い世界を構築している!」「なんじゃ!このトレブリーで歪んだベースは!こんなのありなの~!?」全てがとにかく「かっこよかった」です。

当時アナログレコードでA面は18分に及ぶタイトル曲の「危機」1曲のみ。ひっくり返してB面はそれぞれ約10分の「同志」と「シベリアン・カートゥル」の2曲で計3曲。壮大な大作志向の走りでした。

この「危機」は間違いなく僕が今日までに最も繰り返し聴いたアルバムのTop5に入ります。
トリプルネック

クリスのメインベースは冒頭の画像のリッケンバッカーですが、曲によってもいろいろ持ち替えます。

「イエスで最も好きな曲を1曲選びなさい」と聞かれたら相当悩みますが、アルバム「究極」に収録されている「悟りの境地」を選びます。イエスの重鎮であるボーカリストのジョン・アンダーソンもこの曲を「最もイエスらしい曲」とインタビューで答えていました。

このダブルネックならぬ「トリプルネック」はその曲で使用されていました。

2003年の来日公演を国際フォーラムに観に行った際にこの曲をやって、伝説のこの「トリプルネック」を生で観た時は辺りをはばからず「ウェーイ!カッチョイイ!」と雄たけびを上げてしまいました!


その後もクリスは2015年に急性骨髄性白血病で亡くなるまで結成から47年に渡り、奇跡のバンド「イエス」のサウンドを創造し支え続けました。

クリスの死後もイエスは彼の遺言により存続し活動を続けています。何と今年で結成52周年を迎えます!

ベースは以前からサポートメンバーとしてイエスに参加していたスーパー・マルチプレイヤー、ビリー・シャーウッドがそれまでのクリスのベースラインに敬意を払いながら立派に継承しています。

奇跡の「イエス・サウンド」はクリス・スクワイアありきでした・・・

心から冥福を祈ります。