音楽業界用語講座 Vol.1
季節は ”秋”真っ只中です。

「食欲の秋」「読書の秋」「芸術の秋」・・・いろいろな”秋”があります。

当店「on and on」は皆様が「芸術の秋」を心から堪能できますように上質なサウンドをご用意してお待ちしております。
今回のブログネタは、音楽業界用語の話をさせていただきます!

まー、たわいもない話です・・・

「音楽業界用語」・・・要するに「バンドマン用語」です。
昭和のキャバレー

そもそもは昭和20年の終戦以降、アメリカの音楽が解禁になり進駐軍やキャバレーなどでの生演奏の需要が高まりバンドマンが急増しました。彼らが例えば喫茶店などで一般の人たちに会話な内容を悟られないように暗号のように使い始めたのが「バンドマン用語」の起源です。

「まいうー」とか「しゃれおつ」などの逆さ言葉が、そもそもは「バンドマン用語」です。
”とんねるず”などがバラエティー番組で使い始めてから世間でも冗談半分で使われるようになりました。
まいうー

Vol.1は「バンドマン用語」の中でも重要なウェイトを占める「数の数え方」
を解説させていただきます。

数の言い方は、特にギャラの金額を口頭で伝える場合などは一般の人たちに悟られないように、当時は必ずと言っていいほど「バンドマン用語」で交わされていました。

まず、基礎知識が必要です。

ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドという音には名前があります。これはイタリア語ですが、最初の「ド」から最後の「ド」までを1から8に当てはめるのがルールです。

ただし!

イタリア語は使わずに、原則ドイツ語を使います。ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドをドイツ語だとC(ツェー)・D(デー)・E(エー)・F(エフ)・G(ゲー)・A(アー)・H(ハー)・C(ツェー)と発音して、これを1から8に当てはめます。

ただし!

E(エー)に限ってはドイツ語の(エー)ではなく、英語読みの(イー)と発音します。

※純然たるクラシック音楽の業界ではドイツ語のまま(エー)と発音します。

まとめると・・・

1=ツェー、2=デー、3=イー、4=エフ、5=ゲー、6=アー、7=ハー、と言います。

さて ”8”はというと最初のツェーの1オクターブ上の音になるので「オクターブ」と言います。他の数字と組合わす場合は省略して「オク」と言います。

ダサいのは “9”です。これだけは仕方がないので英語でそのままの「ナイン」といいます。

何故、ここまで来てドイツ語でなくて英語なの?というと当時を想像するに、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドは音楽用語なのでドイツ語で言えても、ドイツ語の “9”が分かるバンドマンが当時少なかったのだと思います。

後は、これらを組み合わせて数字を表現します。

おもに金額を表しますが、原則として「円」は省略して言いません。「十」「百」「千」「万」はそのまま日本語のまま言います。
ギャラの金額・・・

実践編

1万円=ツェーマン、4万円=エフマン、1万5千円=ツェーマンゲーセン、こんな風に使います。

※3万円はバンド業界だと「イーマン」ですが、純然たるクラシック業界だと「エーマン」と発音します。

8万円=オクターブマンと言います。10万円=ツェージューマン、100万円=ツェーヒャクマン、などです。

例えば、缶ジュースなどを買う際に丁度10円玉がなくて、友達に「10円貸して!」だったら「ツェージュー貸して!」となります。

その時の状況で常識的に単位が明確な場合は「マン」や「セン」の単位が省略される場合もあります。

例えば庶民的な居酒屋で清算の際に一人当たり2,500円だった場合など、バンドマン業界用語的に正しく丁寧に言うならば「デーセンゲーヒャクパー」となりますが、単位を省略して「デーゲーパー」などと言います。「パー」は一般にも使いますが「均等割」のことです。

「本当にバンドマンって、そんな言葉使いするの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょうが、今でこそ若いミュージシャンたちはあまり使いませんが、当時のバンドマン達は本当に普通に今回紹介したような業界用語で話をしていました。

次回、Vol.2もお楽しみに!(サトーB)