音楽業界用語講座Vol.6
過去に「逆さ言葉」や「数字の変換」などの昭和の時代の「バンドマン用語」をレクチャーさせていただきました。

今回初めてこのシリーズをご覧になられる方はVol.1〜5を遡って読めば、より一層お楽しみいただけると思います。
今回も実践的な使用例から「バンドマン用語」をレクチャーさせていただきます。
愛すべき昭和のバンドマン

「今回のビータ、シーメ代ナイスク!1日デーセンって何だよ!最低でもイーセンは出てるはず!あのジャーマネ、ハネピンし過ぎだぜ!」

実際の会話ではこのように普通の言葉とバンドマン用語がごちゃ混ぜになっています。

まずは単語を一つずつ解説していきましょう。

○ビータ
「旅」のことです。とは言っても音楽業界での仕事の話なので、個人的な楽しみで行く「旅行」ではありません。演奏のために地方に行く事を指します。まー「地方巡業」だと思っていただいて差し支えありません。

○シーメ
直訳だと「飯」です。「食事」の事を指します。慣例で「ジーショク」とは言いません。
やはり「シーメ」です。なので「シーメ代」=「食事代」です。「代」はそのままです。
「イーダシーメ」とは言いません。

○ナイスク
「少ない」です。

○デーセン
Vol.1でレクチャーさせていだだきましたが、数字の変換です。詳しくはVol.1をご覧ください。デー(D)=2です。セン=千です。なので「デーセン」で2,000円のことです。話の流れで金額だと分かるので“円”は通常省略されます。

○イーセン
同様に、イー(E)=3とセン=千です。3,000円のことです。

○ジャーマネ
これはそのまま「マネージャー」ですね。

○ハネピン
これもそのまま「ピンハネ」です。

というわけで先程の「今回のビータ、シーメ代ナイスク!1日デーセンって何だよ!最低でもイーセンは出てるはず!あのジャーマネ、ハネピンし過ぎだぜ!」を翻訳しますと・・・

「今回の地方巡業、食事代少ないよな!1日2,000円って何だよ!最低でも3,000円は出てるはず!あのマネージャー、ピンハネし過ぎだぜ!」となります。
ハネピン

昭和の時代、演歌の地方巡業などはバンドを仕切っている事務所のマネージャーが同行してバンドの世話をしていました。食事は弁当が支給されたり現金だったり、その土地のプロモーター(興行主)によってまちまちでしたが、現金の場合はマネージャーがまとめて受け取りバンドメンバーに配るので、ピンハネし放題でした。こうして私腹を肥やす悪徳マネージャーがたくさんいたのです。

次回もお楽しみに!(サトーB)