シークレット・ストーリー
名盤紹介シリーズVol.6です!

今回はレジェンドと化しているギタリスト、パット・メセニーのソロ・アルバムの中でも最高傑作と誉れ高い名盤「Secret Story」を紹介させていただきます。
「Secret Story」

1992年に発表されたこのアルバムはパット・メセニーの集大成と言える作品です。

ここでギタリスト、パット・メセニーについて少しおさらいしておきましょう。
「Pat Metheny」

Pat Metheny(1954年8月12日〜 アメリカ ミズーリ州生まれ)

18歳の時にジャズ・ビブラフォン奏者の大御所、ゲーリー・バートンに「僕を貴方のバンドで雇ってください!」と直談判した話は余りにも有名です。ゲーリーも初めは「この子供は何を言っているんだ?」と思ったそうですが、面白い半分で弾かせて見たら・・・

こうしてパットはゲーリー・バートンのバンドに加入しプロとしてのキャリアをスタートさせます。同時にゲーリーの推薦で18歳にしてバークリー音楽大学の講師も務めます。当時の生徒にアル・ディ・メオラなどがいた事は有名です。その後、1975年にジャコ・パストリアスらと初リーダーアルバム「ブライト・サイズ・ライフ」を発表。1978年にはライル・メイズらとパット・メセニー・グループを結成。1stアルバム「想い出のサン・ロレンツォ」を発表。

その後のパット・メセニーの快進撃は凄まじく、あっという間に世界のジャズ・フュージョン界を席巻します。そして現在に至るまで世界の第一線で活躍を続けています。

パット・メセニーの活動は大きく分けるとパット・メセニー・グループとしての活動とソロ・プロジェクトの二つに分けることができます。


この「シークレット・ストーリー」は彼のソロ・プロジェクトの中でも多くの世界の一流ゲスト・ミュージシャンやロンドン管弦楽団などを起用した最も労力を注ぎ込んだ意欲作です。

パット・メセニー・グループのメンバーはもちろん、スティーヴ・フェローン、ウィル・リー、アンソニー・ジャクソン、チャーリー・ヘイデンなどの豪華ゲストが極上なサウンドを紡いでいます。

中でも僕の琴線に触れるのはハーモニカのトゥーツ・シールマンスです。
「Toots Thielemans」

「Toots Thielemans」(1922~2016)

アルバム中、M-8「Always and Forever」とM-11「Antonia」で“素晴らしい”と言う言葉が陳腐に感じるほど極上なハーモニカを披露しています。

そして僕も今回初めて知ったのですが、トゥーツ・シールマンスはギタリストでもあったという事実です。晩年はほとんどハーモニカ奏者としての活動しかしていませんでしたが、若い頃はギターを弾きながら首にハーモニカをぶら下げて場面によって使い分けていた様です。

1959年、ジョージ・シアリングのバンドでハンブルクで公演中のトゥーツ・シールマンスの演奏を見たジョン・レノンがそのスタイルに影響を受け同じリッケンバッカーのギターを使用するようになったそうです。
「リッケンバッカーを弾く、ジョン・レノン」

アルバム「シークレット・ストーリー」はトータルで1時間16分の大作ですが、本当の意味で“ワールドミュージック”と言える多岐に渡る音楽ジャンルを融合させたアルバムなので最後まで飽きずに聴く事ができます。

30年前のアルバムですが正にパット・メセニー渾身の1枚で、僕の主観ですが現在でもこのアルバムのクオリティー超える作品はありません。流行りを追ったりしていないので全く古さを感じさせません。

ちなみに矢野顕子も1曲ボーカルで参加しております。

じっくり腰を据えて聴いていただきたいアルバムです。(サトーB)